沖田総司 (2)2007/01/15 00:03

斬るならば 苦しむ間すら与えずに

             この一閃は 刹那の情け


新選組を題材にした小説やら漫画やらは、かなりたくさん
あるのでしょうね。
私は漫画には疎くて・・・知らないものが多いのですが
たまたま岩崎陽子さんの「無頼」と言う漫画を見ました。

「無頼」の主人公は珍しく(?)、斎藤一。
斎藤ファンの私は、喜んで飛びついたわけです(笑)
いやもう、文句なくかっこよかった・・・のですが(^^;
それよりも目が行ってしまったのが沖田総司。
今更ながら、あらためて沖田総司に惹かれました(^^;
ここで描かれる沖田から感じたものは、強さでした。
剣の腕はもちろん、心の強さ。それも、重々しさや
悲壮感のない、あっけらかんとした強さ・・・

天才と言われる剣、それはあの時代には「斬る」ことのみを
運命づけられた剣でもあったのかもしれません。
子供のままのような天衣無縫な青年、人を斬ることが彼に
どんな変化や葛藤をもたらし、それをどう自分の中に
呑み込んでいったのか・・・

沖田の剣を想像する限り、そこに迷いは感じられません。
もしかしたら、斬られる人にしてみたら、それこそ一瞬の
苦痛もなく、と言うほうがまだいいのかも。
いえ、それでもそこには動かし難い冷徹さが存在します。
あの時代に生きた人の気持ちを、今私などがわかろうはずも
ありませんが。

何を思っていたのだろう、何に明日を見出そうとしていた
のだろう。
救いはあったのだろうか、後悔は?自己嫌悪は?
解けるはずのない謎の堂々巡り・・・
ひたすらに剣を握り続けた天才剣士の生き様を、果てしなく
想像する自分がいます。