大海人皇子2006/02/12 00:08

気高きは 空に香りて咲く梅の

             花より白き 君の横顔


大海人皇子と言う人は、きっと額田王を心から愛しく思って
いたのでしょう。
大海人皇子が額田王を梅見に誘うと言う状況は、あくまでも井上靖さんの
小説「額田女王」の中の1シーンにすぎませんが、それでも実際にそんな
ことがあってもおかしくない。
小説の印象が強すぎて、どうしても大海人皇子と言うと、梅の花を思い
浮かべてしまうのです(^^;
大海人皇子にとって、額田王は白く高貴な花のように映っていたのかな。
そんな額田王を振り向かせることに必死だったのでは、と・・・

でも、皮肉な運命は、大海人皇子にとっておそらく一番のライバルとも
言えるであろう相手、中大兄皇子に額田王を奪わせます。
子供までなした最愛の女性を奪われ、そして後に次期天皇の座まで
自分の手から転がり落ちて、中大兄皇子の子である大友皇子に行く
ことになり・・・
壬申の乱は、大海人皇子の男としての誇りを賭けた戦いだったのかも
しれません。

額田王2006/01/02 00:49

風すさぶ地にもいつしか陽は射せり

        花の香に酔ふ春を待たんと



中大兄皇子と来ると、やはり額田王の歌をお返ししたくなりますね(笑)
中大兄皇子の周りには、たくさんの女性がいますが、その心の奥を
一番理解しようとしていたりは、額田王ではなかったかと・・・
まあ、私の勝手な思い込みなのですが(笑)

井上靖さんの小説「額田女王」の中で、大海人皇子に対しては、
つかみどころなくするりと腕をかわすような雰囲気の額田王でしたが、
中大兄皇子に対してはひどくけなげな雰囲気を漂わせたように思います。

厳しい道と知りつつ進む中大兄皇子を、どのような気持ちでみつめて
いたのでしょうか。

天智天皇2006/01/01 00:00

行く道の 難きを憂ふ昨日より

         初東雲を寿ぐ今日よ



いにしえ人への和歌を、ブログと言う形で綴って行こうと思います。
新年の最初に、誰を取り上げようかと迷いましたが、ここはやはり
国の柱となる人の、新たなる年への思いを詠ってみたくなりました。

実際に執政の中心でありながら、なかなか帝の地位にはつけなかった
(つかなかった?)中大兄皇子。
天皇になった後も、はたして心やすらぐ時はあったのかどうか・・・
それでも、新しい年の初めには、きっと国の平穏や治安、豊穣などを
願ったことでしょう。

厳しい冬のイメージのある天智天皇ですが、せめて新年の東雲を仰ぐ
ひととき、晴れやかで穏やかな春の訪れを感じていてほしいものだと
思います。