中臣鎌足2007/04/01 00:05

宿命の秤は 我の胸にあり

           知勇に優る 君に傾き


中臣鎌足、後の藤原鎌足。
才能も野望も持つ鎌足は、自分が使えるべき主を
誰にすべきか、おそらく熟考したことでしょう。
最初、古人大兄皇子に目星をつけたものの、
どうやらその器ではないと見切ったらしい。
そして、中大兄皇子に目を留めました。

かの有名な飛鳥寺での蹴鞠の折、中大兄皇子の
ぬげた沓(くつ)を拾い上げた時から、二人の力を
合わせた戦いは始まるのです。
国の土台を固めるためには、冷徹なことを為すのも
臆さない中大兄皇子は、鎌足にとって頼もしく
思えたはず。

もしも、有間皇子がもう少し年がいっていたら
鎌足も迷ったかもしれませんね。
残念ながら、有間皇子はまだ若すぎた。
おそらく、中大兄皇子ほどの強靭さは持ち合わせ
なかったのではないかと思われます。
誰よりも、歩調を合わせられるであろう相手として、
中大兄皇子を選んだ鎌足の目は確かだった、と
言えるでしょう。