源氏の君2006/03/09 23:38

清らなる 深山の春に咲き初むる

           花に惹かれし 心はいかに


源氏の君と女性たちとの出会いは、どれもとても美しく描かれています。
たいていの場合、会っていきなり恋に落ちる、と言うパターンが多いよう
ですが(^^;
中でも、若紫との出会いのシーンは、山の清浄な空気まで感じられて
印象に残っています。

ふと見かけた少女のあまりの愛らしさに、思わず足を止めてしまう源氏の君。
けれど、そのあどけない少女に、どこか藤壺の宮に似ている面差しを見て
いたのですね。
結局のところ、源氏の君の心のうちは、常に叶わぬ恋の相手である藤壺
の宮が占めている。
面影の似ている少女を引き取って、側で育てられたらと言う夢も、男の
エゴであると言えるかも・・・

どうも、源氏の君にはついつい辛い評価をしてしまいがちな私ですが(^^;
それでも、この若紫との出会いは、どことなくほほえましく思えてしまったり
するのです。