紫の上2006/01/28 18:19

人を恋ふ こころはかほど重きかな

           蝶にもなれず 鳥にもなれず


源氏物語の中には、美しくも哀しい女性が大勢登場します。
紫の上は、源氏の君と一番長く共にいる女性。
どちらかと言うと幸せな女性のうちに入るのだろう、と昔は
思ったものでしたが。
最近は逆に、一番哀しい女性だったのかも、と・・・

幼い頃に源氏の君の邸に連れてこられ、何もわからぬうちに
自らの道を決められてしまった。
優しくて頼りになる、いつも一緒にいてくれるお兄さん、と
信じ込んでいた幼い少女の心のままの紫の上に、源氏の君は
いきなり妻となることの現実を突きつけます。
いかに紫の上がショックを受けたかは、原作からも窺えますが(^^;

そんな思いをも超え、ようやく大人の女性として源氏の君を愛する
ようになってきた矢先、源氏の君は須磨へ流されます。
どんなについて行きたくとも、かなわない。
一人けなげに留守を守る紫の上、翼があったら飛んで行きたい、と
思ったのではないでしょうか。

この短歌のもととなったイラストを、サイト「銀の鏡」の伊那さんが
すばらしく美しく描いて下さいました。
「翠蓮茶寮」のギャラリーのコーナーにページがありますので
ご覧頂ければ幸いですm(__)m

伊那さんのサイト「銀の鏡」はこちらから
http://inabausa.s81.xrea.com/

「翠蓮茶寮」はこちらから
http://www.ne.jp/asahi/ryo/p/suiren.htm

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